美容室の売上アップ・スタッフ育成には…
「新規集客の強化がイチバン大事!」
そんなご意見もあると思います。しかし、いくら多くの新規客を獲得しても、今まで長年通ってくださっていた常連のお客様が、知らないうちに多く失客してしまっている。
そんな状況では「売上アップ・スタッフ育成」に、今後も多大なコストをかけ続けなければいけなくなります。
近年の美容業界では、そのような傾向にあるサロンも多いと感じます。
だからこそ、今一度お伝えしたい!
「常連のお客様の失客」への対策について、改めて詳しく書いていきます。
「常連のお客様の失客防止」
このテーマについては、過去にも以下の記事で書いています。
私たちはサロンを専門とした、POSシステム・ネット予約・アプリ等、サロンワークを支援するサービスの開発・販売に長年関わってきておりますので、全国の多くのサロンのリアルなデータを目にしてきました。
その中で、どんな時代にも強いサロンの共通点として、今も昔も「既存客の失客が少ない」ということは変わっていません。
この『失客防止』の具体的な施策を継続することが、サロン・スタッフの成長への一番の近道になるはずです!
そんな『常連のお客様が失客!その前にできること』について、改めてデータ・ツールを活かした対策例を書いていきます。
それぞれ、サロン現場で感じたことのあるケースではないでしょうか?
「そんなことは気にしたことが無い」という場合、きっとその穴埋めを“多大なコストの新規集客”で補っているのかも?
常連失客の放置、危険信号です!
それぞれの失客原因に対して、当たり前のように対策できているサロンは、意識しなくてもサロンの仕組み・文化として、自然に『常連客の失客防止』が根付いているはずです。
まずはそれぞれの失客原因への、アナログな対策を簡単に書きます。
(前のテーマにリンクを貼っている記事にはより詳しく書いていますので、気になる方はご覧ください。)
・施術時間が長かった ⇨ 予約時点で予定終わり時間を伝える!
・明らかな施術ミス ⇨ 誠心誠意お詫びして、挽回ルール提示!
・忙しくて気遣い不足 ⇨ 目を見て「ゴメンナサイ!」と一瞬でも!
・慣れ・マンネリを感じられた ⇨ 不快を取り除くための声かけ!
上記の説明だけでピンときた方は、ぜひ毎日のサロンワークに、自分なりの解釈でもよいので『常連失客対策』を取り入れてみてください。
ここからは、上記のようなアナログな対応以外の、デジタルなツール・データを活かした対策を書いていきます。
美容室に行きたい!
と思ったときに「電話したけど予約が取れない。」
だから、他の美容室をスマホで探す。
結果・・・
サロン検索サイトやSNSですぐ行ける“新規だとお得なサロン”が見つかった!
「よしネット予約しちゃおう!」
と言う常連さんの失客パターン、実はお客様が言わないだけで非常に多いんです。
では、どう対策する?
今の時代、お客様はいつでもどこでも、スマホで片手で、すぐ行けるサロンを検索できます!
皆様もご存じの、ホットペッパービューティーの「そこはネット予約じゃないかしら?」というフレーズが印象的なCM。
2013年から放送されて、美容業界のネット予約の普及に大きな影響があったはずです。
そして、今や「来客の90%は集客サイトのネット予約」というサロンも少なくありません。
そんな中で
「集客サイトに掲載していないから、ネット予約には対応していません。」
というサロンのままでは、きっとお客様は徐々に離れていきます。
「電話したけど予約が取れない。」
というお客様の声に
「ネット予約もある。」
と答えられる環境、まずは必要なのではないでしょうか?
弊社製品は、様々なネット予約に対応しています。
通常のホームページ等からのネット予約・オリジナルアプリ連携によるネット予約・LINE公式アカウントからのネット予約等、お客様ニーズに合わせて導入が可能です。
それでも「ネット予約」に頼るのではなく、
お客様との関係性強化で今の時代を乗り切りたい!
そんな時は「次回予約」でしょう。
しかし実際には、サロン現場での予約管理・お客様へのお知らせ・急なキャンセルなどもあり、サロンの仕組みとして定着させていくには、色々と問題があり始められないというお話もよく聞きます。
そういう「仕組み」の部分は、やはり顧客管理・POSシステム等が便利です!
次回予約の獲得数管理による、スタッフの取り組み状況の数値や、お客様へのお知らせの自動化など、手間と時間がかかる部分はツールに任せてしまいましょう!
目的は、電話予約以外の手段による、お客様との関係・接点強化による「失客防止」です。
次の来店を約束していただくための行動に注力して、ツールに頼って無駄を省きましょう!
Webで「電話嫌い 若者」と検索すると、多くの関連情報が表示されます。
そして、その中には若者だけではなく「世代に関係なく、電話を使う必要性が無い。」というような意見もありました。
約10年前に登場して、今や連絡手段の当たり前のツールになったと言えば「LINE」ですね。
メールに始まり、チャット・メッセージツールなど様々なコミュニケーション手段が増え、ほとんどのSNSでメッセージのやり取りもできます。
今や、移動中・外出中など公共の場で「今から行けますか?何時が空いていますか?」と、大きな声で話すことも避けたい時代です。
お客様と電話以外でやり取りできる環境。
これも、今の時代に合わせたお客様との接点・関係強化のためには、重要になってきていると感じます。
「キレイになった!スッキリした!」と、
美容室を出た後で『え?それ、どうしたの?』と、髪を見た人から言われる。
家族・友人・同僚など、第三者が見てもわかる“技術的ミス”があった!
そのミスに失望すると同時に、お客様は「何で言ってくれなかったんだろう?」という不信感も抱いてしまい失客へ。
では、どう対策する?
その場で
「不備がありました!申し訳ございません!」と、
丁寧にお詫びして
「次の挽回機会をいただけないか?」
とお願いできれば、それが最も早い対策の一つです。
しかし、美容師さんとしても
「しまった。仕上がりに少し気になる部分があるな…」とわかっていても
「あとで何か気になれば、遠慮なく言ってくださいね。」と、
そのままお帰りいただくケースも多いと聞きます。
そんな時に「今日の施術について、お帰り頂いた後でカルテを見直してみて、実は○○の部分が気になりまして…」と、こちらから先回りしてお知らせできれば、どうでしょうか?
そのためには、デジタル失客対策①でも書いた「電話以外の顧客接点」が多いほどフォローできる可能性は高まるはずです!
お客様の信頼、迅速なフォローで取り戻しましょう!
どれだけ練習して、どれだけ入客しても、人間ですからミスはあります。
でも、正しい情報管理でミスを未然に防ぐための環境づくりはできます!
近年のPOSシステム・顧客管理システムは、フロントに固定で設定された機械のみで使うのではなく、お客様の手元で「電子カルテ」として利用する機能はどんどん充実してきています!
iPad等を使って、文字・手書きだけではなく「写真」でリアルな画像情報として記録すれば、見直した時に紙カルテでは見えなかった「気づき」も増えるはずです!
何となく「ミスだったかも?」と感じていたことが、より明確になります。
サロンでiPadで記録して、場合によってはそれを自宅で見直せる。
そんな「気づき」を増やす環境づくりと、サロンの外にいるお客様との接点があれば、失客対策としてもう一歩、踏み込めるのではないでしょうか?
▲その一言、忘れていませんか?
サロンが成長する過程で、若いスタイリストの新規客も増えてくる。
特に繁忙期は、忙しい時間に予約も集中するので、ついつい常連さんなら大丈夫かな?と、いつもはしっかり会話しているのに、お気遣いを忘れてしまう。
常連さんほど
「このお店、もうゆっくりできなくなってくるかも?」
と黙って失客してしまうかも?
では、どう対策する?
アナログな「お気遣い」を強化するためにも、デジタルなツールが重要!
情報管理の効率がよくなり空き時間ができれば、アナログの行動も増やせるはず。
そして、お手元の電子カルテには、より正確な「お気遣い」のためのデータが記録されている!
であれば
『前回の会話では○○』
『いつも趣味の○○について話している。』
『実は○○が気になる人』
とか、パーソナルな情報によって心に残る一言がかけられるはずです。
そんな、アナログを後押しするデジタルな環境を、常連客の失客防止に役立ててください。
▲マンネリ、不満になるかも?
長年よく知っているから、いつも通りの技術とサービスで満足!と思っていたら、大きな落とし穴が待っているかも?
「いつも通り」=「変わり映えしない」と感じられる可能性も?
さらに、長く通うほど「技術・接客は満足が当たり前」になります。
そうすると、ちょっとした不満が大きな失客原因になるかも?
さあ、どう対策する?
いつも通りの『満足』が『当たり前』に。
そんな時が最も危険!手書きカルテでも、これまでの内容を見直したり何枚も紙をめくればマンネリ打破のヒントはあるはずです。
しかし、どうしてもアナログに“見る”という行動に集中しがちになります。
電子カルテ・予約管理を上手に使えば、いつもの情報を参考に「今回はいつもと違う○○を提案しよう!」とか
「○○な人だから、不快にならない気遣いを!」とか、
素早く把握できます。
そして、その情報を予約・来店時にリンクできて接客にも活かせる。
そういう感性によって変わる対応を、ツール・仕組みによってサロンで均一化できるようにすれば、常連客の失客防止につながるはずです!
いかがでしょうか?
『常連のお客様が失客する前に、まだまだできることはある!』
常連のお客様の失客を防ぐことは、実はむやみに新規集客数を増やすよりも、サロン・スタッフの成長に大きな影響がある。データ屋のそんな視点で『常連のお客様の失客防止』について、改めて書いてみました。