まずPOSという言葉のおさらいから。
POS = Point of sales の略で「販売時点情報管理」と言われています。具体的には「いつ・なんの商品が・いくらの金額で・いくつ」売れたのかを管理するものとなります。スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど小売店のイメージが強いかと思います。 不特定多数の人が利用する小売店の場合、誰が買ったのか?までを特定することは困難です。性別・年齢・職業なども見た目からレジを打ち込む担当者が判断しなければなりません。
このため、小売店側も会員カードやアプリなどを使い「誰に」という情報まで結び付けられるようにしているケースも当たり前になってきました。
理美容室では「誰に」という点においては、来店時に必ずお客様カルテを作るので確実におさえることができます。この点はスーパーなどの小売店に比べ非常に有利な点です。
「誰に・いつ・なんの商品が・來倉の金額で・いくつ」売れたのかをつかめるため、One to Oneでのアプローチも取りやすくなります。
これらの観点から理美容室におけるPOSデータ活用の基本をお伝えします。
初めてのお客様が来店されると、必ず顧客カルテを作成されることと思います。この時に、
・氏名や性別
・住所
・電話番号
・生年月日
といった基本項目だけで終わっていては、とてももったいないことになります。これらに加えて、
・来店動機
・職業
・既婚か未婚か(家族構成)
なども重要になります。更にはカウンセリング項目として髪の毛やお肌の悩み・困っていること・日頃のケアの方法や好きな雑誌、ファッションの系統などお客様のライフスタイルに関する情報をヒアリングしていくことになると思います。
これらの情報をPOSに登録することが、POS活用の第一歩となります。ご新規のお客様が来店されたら、必ず店内のルールに基づいてお客様情報を収集することが大切です。一度目を逃してしまうと後々聞き取りにくい項目もあるかもしれませんので、最初が肝心です。またお客様のことを知ることで、今後のより良い信頼関係を築くためのアプローチにもあたります。
基本的な個人情報の取得はもちろんですが、重要視すべき項目は「来店動機」です。特に昨今、多くの店舗でお悩みなのが「新規集客」というテーマです。このため、新規でご来店した方の来店動機をしっかりと把握することは今後の集客活動のためにも大切なことです。
店舗側が用意したカルテに来店動機項目を用意して丸を付けてもらうケースが一般的かと思いますが、そこからもう一段深彫りすることが重要になります。
例えば、友達の紹介で来店したお客様がいた場合、誰からの紹介かということが重要になりますよね?同じことがほかにも言えます。
例えば「ホームページを見て」というだけだと、公式サイトを見たのか?ポータルサイトを見たのか?ブログを見たのか?わかりませんよね。
同じように「雑誌を見て」という場合も、もし複数に掲載している場合どの媒体の雑誌なのかということも重要です。
また、「予約サイトを使って」という場合も、確かに来店動機には間違いないですが、これは単に手段であって、もしかしたらいつも通りがかっていて気になるお店だったので、ネットで調べたら予約サイトに掲載があったからそれを利用して予約をしてきたというケースもあり得ます。あるいは知人・家族に聞いてネットで調べたら…というケースも考えられます。
このため、来店動機項目についてはしっかりとヒアリングすることができると本当の動機が見えてくる場合がありますので、注意してみてください。
続いては取り扱い商品や技術メニューの組み立て方です。多くのPOSシステムでは商品を登録して、どのメニュー・商品が売れたのかを集計します。
商品数が多い場合は、分類に分けて登録する仕組みがほとんどです。理美容室の場合では、
まず大きく分けて「技術メニュー」と「店販商品」に分かれます。
技術メニューの分類としては「カット」「カラー」「パーマ」…といったように分けるケースが一般的です。「店販商品」であれば「シャンプー剤」「トリートメント剤」「スタイリング剤」といった感じでしょうか。
これらのメニュー登録の仕方を工夫することで、知りたい情報を集めることができるようになります。
例えば技術メニューに「カラー」という分類を作ったとします。もしお店の傾向によって、「白髪染め」をするお客様と「おしゃれ染め」をするお客様の内訳を知りたいと思ったらカラーメニューをそれぞれ分けておく必要があります。さらにリタッチでの来店なのかフルカラーでの来店なのかということも分けるとなると、
1. カラー全頭
2. カラーリタッチ
3. グレイカラー全頭
4. グレイカラーリタッチ
というように4つに分かれることとなります。更にこれを長さ別に分けるとしたら、項目はどんどん増えていきます。
お店側の目的を明確にし、どのような情報を集めたいのかを考えてメニューを組み立てる必要があります。状況によっては分類自体を「カラー」「グレイカラー」とそもそも分けるケースもあります。
また別の観点から、カット単品を購入したお客様が月間でどのくらいいるのかを把握したいと考えるケースがあります。お客様の客単価に注意を払っているお店の場合、「カットだけ」をしてお帰りになるお客様の実数を知りたいということがあります。
その場合、技術分類に「カット」とは別に「カットのみ」という分類やメニューを新たに作成し、カラーやパーマなど他の技術メニューを購入せずカットのみでご来店の場合は「カットのみ」メニューを選択してレジを登録するようにします。
そうすることで、月間で何人の方が「カットのみ」でお帰りになっているのか?それはどのお客様なのかというデータが手元に残ります。そのようなお客様に対して、今後どのように追加・プラスメニューの提案を進めていくかという課題を見つけることができます。
今回は基本となる顧客情報の集め方と、肝心なメニュー構成の作り方についてお伝えしました。
POSデータを活用するためにはこれらの項目を入念に設定・登録していくことがスタートとなります。
弊社のPOSレジ「SalonAnswer」ではお客様カルテの登録や柔軟なメニュー構成まで対応できるようになっています。また上記の内容以外にも便利な機能が満載です。POSレジ選びの際にはぜひご用命いただければと思います。