「POSレジは気になっているけど、複雑で難しそう。」
「データ分析?俺は数字じゃなくて、技術の向上だけを考えたいんだ!」
「数字がいっぱい並んでると、なぜか眠くなるんだよね…」
POSレジのデータ分析をしたほうがいいということは頭でわかっていても、なかなか気が向かないなんてことありませんか?
実際データ分析というと、難しいイメージがしてなかなかやり始められない方も多いと思います。
なので、まずは基本だけと決めて、簡単な分析からはじめてみませんか?
基本の分析だけでも、体感していたことがデータ的にも正しいと自信を持てたり、今まで見えなかった変化が見えるようになったり、良いことが沢山あると思います!
では、その基本の分析とはなんでしょう?
ここでは
「リピート率分析」「デシル分析」「RFM分析」という、代表的な3つの方法を紹介させていただきます。
サロン経営を最も支えているのは、【リピート顧客】の存在。
サロン経営を長く続けるには、この「リピート顧客」を増やすことを考えていく事が重要になります。
そこで自店のお客様の再来率を正確に把握する事が重要な項目になります。
再来率、つまりリピート率の計算方法はとても簡単です。
再来店の方が占める割合の計算方法は、リピート顧客数(人)÷総顧客数(人)×100で計算ができます。
では、美容室のリピート率の平均値はいくつなの?と気になりますよね。
美容室のデータをまとめているサイトによると、90日間での平均リピート率は既存顧客なら70%、新規顧客なら30%という数値が出ています。
各平均値を切っている場合、あなたのお店は再来率が低い店舗に該当するのです。
ただ、上記の計算方法だと、再来率は出せますが、どのお客様が失客したかまで把握するのが困難だと思います。
そこで、POSシステムについている分析表の機能を活用しましょう。
新規のお客様、固定のお客様、共に○○%という数字だけでなくどのお客様が失客しているか一覧で確認する事が出来ます。
そこで抽出したデータを元にDMを発行する事もPOSシステムなら可能となります。
更に、スタッフ毎の一覧も見えますので、ミーティングなどの時に毎月確認して課題や問題解決のヒントとして使用していただく事も可能です。
デシル分析とは、顧客の購入金額をクラス分けして分析にかける方法です。
具体的に、お客さんの購入金額を洗い出して、合計が大きい順に10等分し、それぞれに上から「1」「2」「3」…と名前をつけます。
次に、各デシルの購入比率や売上構成比を算出して、売上貢献度の高い「優良顧客層」を見える化する事が出来るという、マーケティングにおいてよく活用される方法です。
「2:8の法則」をご存知でしょうか?店舗ビジネス・小売業などで、そのお店に1,000人のお客様が来られているとしたら、多くお支払いいただいているお客様上位200人のお客様の売上で、全体売上の8割を占めているという結果になる。というほど、何度も来てくださるお客様のお店への売上貢献度は非常に高いということがわかる法則です。パレートの法則と言われたり、3:4:3の法則とさらに細分化されることもありますが、デシル分析は、そんな「2:8」や「3:4:3」を明確にしてくれます。
エクセルなどでも簡単に出す事が出来ますが、POSシステムのデシル分析を活用する事で、昨年比やスタッフ毎の分析、さらに顧客一覧も簡単に見る事が可能になります。
そちらを確認いただければ、VIP客やVIP候補客が簡単に把握できます。
それらのグループのお客様を把握する事で、どの層のお客様に何をご案内するべきなのか?を考えることができ、闇雲にアプローチを行うより効率よくアプローチをする事が可能となります。
「RFM分析」は、サロンのお客様の履歴から、
R(Recency 直近来店時期)
F(Frequency 来店回数)
M(Monetary 購入金額)
の3点からお客様をグループ化します。お客様が最後に来店してからの期間や、一定期間のうちに来店した回数、一定期間において支払われた合計金額の3つを指標としてグループ分けを行い、グループごとに最適な販促活動を取り入れるのが大きな目的です。
縦軸をM(購入金額)、横軸をF(来店回数)としたグラフを作成し、お客様ごとに点をつけていきます。購入金額と来店回数が多い人ほど、右上に位置することになります。逆に、金額も来店数も少なければ左下に位置します。こうしてお客様ごとに振り分け、グラフ内を4分割してグループを割り出します。お客様を「右上」「右下」「左上」「左下」の4つにグループ分けすると、以下のように分類できます。
・右上:MもFも高い。購入金額も来店回数も多い「上客」。なかでも上位に位置するお客様が「VIP客」。
・右下:Fは高いがMが低い。来店回数は多いが、購入金額が少ないお客様。
・左上:Mは高いがFが低い。購入金額は高いが来店回数が少ないお客様。
・左下:MもFも低い。定着への期待が薄いお客様。
常連であり、さらにサロンへの貢献が大きい「右上」に位置するお客様は、VIP客であることが分かります。一方で、それ以外のお客様に対しては、来店回数が増えるような提案を行ったり、単価の高い商品を紹介したりと、アプローチの仕方も分かるはずです。アイデア次第で、そのほかのグループのお客様も上客やVIP客となってくれる可能性があります。
ここまで代表的な3つの分析方法を説明させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
その他にもPOSシステムを使えば様々な分析が可能となりますが、まずは上記の3つの分析を試してみてはいかがでしょうか?
数字を意識する事で必ず見えてくるものがあると思います!
少しでもあなたのサロンのお手伝いになれれば幸いです。
以上、【POSレジのデータ分析方法】についての記事でした。