『客単価アップ』
美容室にとっての重要課題ですね。
実は、そのヒントは身近にある!そんな、顧客データ活用方法について書いていきます。
まず、よくあるケースについて。客単価あっぷのために、新しいサービスを導入することもあるはずです。
*流行りの色味が出せる流行のカラー
*これまでとは違うスタイルが創れるパーマ
*即効性が高くキレイな髪になるヘアケア
等々、色々とあります。『美容室=オシャレを求める場所』と考えた時、それは確かに重要です。しかし、そのためにはいくつかの労力も伴います。
☑技術習得にお金と時間が必要。
☑均一なサービスにする努力が必要
☑新しいサービスの宣伝も必要
☑流行りが終わったら次の情報も必要
その労力に見合った成果があればよいですが、新しいサービスはきっとどのサロンも情報を得ようとしています。そして、さらに流行りのものになると、大手サロンも手を出す可能性は高いです。そうすると、きっと価格・宣伝の勝負になる可能性もあります。
そうなった場合、結局は客単価アップにつながらず、さらには一過性の新サービスで終わってしまった。そんな経験のある方も多いのではないでしょうか?
ここで考えていただきたいことが、その新しいサービスは『誰のため』なのか?ということです。結局、一過性に終わってしまう場合、実は客単価アップが新規集客と一緒になってしまっているということはないでしょうか?それが間違っているとまでは言いませんが、美容室の売上を数値化すると、ほとんどの売上は何度も通ってくださっているリピーターさんによって構成されています。
店舗サービス業の分析でよく用いられる『2:8の法則』(上図)がありますが、美容室の場合は上位4割のリピーターのお客様で、約8割の売上が構成されていることが多いです。
そんなリピーターのお客様たちは、その『新しいもの』を取り入れることを、どう思っているのでしょうか?
サロンの売上のほとんどを支えてくださるリピーターのお客様。そんなお客様が、今のお店で喜んでくださっていることは何なのでしょうか?もちろん、技術以外の皆さまの人柄・サロンの雰囲気・人間関係などもありますが、やはりいつも受けてくださっているサービスを気に入ってくださっているからこそ、何度もご来店してくださっているのではないでしょうか?
これまで様々なサロンのお話を聞いている中で、安定して高客単価を維持しているサロンには、そこにしかない『これだ!』という常連さんがお気に入りのメニューがあったり、そのサロンの代名詞とも言えるサービスがあることで、それが新規集客にもつながっています。結局、多くのお客様に人気があり、自店のもっとも自信があるサービスが、サロンとしても、スタッフとしても、お客様にとっても明確になっている。それが、高単価=サービスの対価として適切であり、その価値に見合っている。そういう状態を作ることが重要なのではと考えます。
という訳で、自店の今あるサービスの中で、常連さんが気に入ってくださっているメニューを、改めて見直してみましょう!そんな時には『顧客ランキングリスト』が非常に便利です!
こんな感じで、指定した期間でお客様をお支払い金額順にランキング表として集計してくれます。これを見ることで、まずは多くお支払いいただけている常連さんがボタン1つでリストアップされます。そして、それぞれのお客様のカルテ内容や過去施術されているメニューも分析・確認できますので、自店の常連さんが気に入っていて、何度も施術してくださっている『人気メニュー』がわかります。
「そんなの、常連さんだから、よくやってくれるメニューがあるのは当たり前じゃん。」と思われるかもしれません。しかし、実はこの常連さんが、当たり前のように受け入れてくださっているメニューこそが、自店で、長く愛され、多く受けていただけていて、高単価につながるサービスのヒントなんです!
とある、郊外型サロンでこんなエピソードがありました。もう同じ地域で20年以上経営されている、まさに地域密着型サロンです。そちらのスタッフさんとの雑談です。
「聞いてくださいよ!うちの昔からあるこのメニュー名、何かダサくないですか?もう、ずっと昔からあるんですけど、古いと言うかセンスと言うか…」
確かに、ちょっとベタすぎるネーミングの「髪の健康とキレイを応援!シンデレラコース!」みたいな感じのメニューでした。私も少し笑いながら、近くにいたオーナーに目を向けるとこんな言葉が!
「バカ言うんじゃないよ!このメニューは、昔からの常連さんがずーっと選んでくれてるんだよ。データにも出てるだろ!これが無くなって、売上が減ったらどうするんだ!うちの愛されメニューなんだよ!」と、少しニヤケながらお話されていました。
スタッフさんも、少し笑いつつも「でも、センスとかあるじゃないですか…」と言いながら、常連さんが選んでくれているということには納得されていました。実は、こちらのサロンでは、あるヘアケアの仕組みが本当に20年以上前から同じメニューとして存在していて、それとパーマやカラーをセットにしたメニューが、本当に常連さんに、特にお支払額の多い上顧客に多く選ばれている¥20,000くらいのメニューなんです!
20年愛され続けている。すごいメニューですね。結局、今のお店にいる多くのお客様が気に入ってくださっているものが、自然に看板メニューとなっている。ということは、実は『新しいもの・流行りの物』だけではなく、長く多く愛されるサービスが、そのサロンを支えている。長くやっているということは、当然提供するレベルも高くなっている。そして、お客様も求めている。
なので「当店の常連さんもイチオシ!実は10年愛されている〇〇ケアセット!これからも、より高いレベルを保ち、さらにレベルアップしつつご提供していきます!」というのはどうでしょうか?意外に、まだその存在を知らないお客様もいるかもしれません。そして、そんなメニューを集客にも活かせば、高単価でリピートしやすい看板メニューのアピールにもなる可能性が高いです。
『人気サービスからの単価アップ』何かヒントになりそうでしょうか?
最後に。こちらの分析・データ活用については、実は⑤のサロンでのエピソードが大きなヒントだったんです。同じように他のサロンでも、常連さんが多く受けているメニューを分析したところ、高単価を支えているのは、そういう看板メニューでした。又は、その人気メニューを年々バージョンアップしたり、アレンジしたりして、既存のお客様だけではなく集客でも自店の『ウリ』にしている。そんなケースを何度か見かけたことから、この『人気サービスからの単価アップ』をご案内するようになりました。
もちろん、新しいものを導入することは大事ですし、トレンドを求めることも重要です!実際に、それをひたすら続けることを自店のブランディングとして確立し、ある地域では「あのサロンなら、いつも新しい何かがあるからワクワクするよね!」と認知されているケースもあります。
しかし、それが自店のデメリットになるケースもあります。
●情報収集もいつも大変
●スタッフの練習も大変
●流行り・一過性で終わる
●実は常連さんは求めていない
●他と同じで“価格競争”になる。
どんな時代でも、美容室はリピートビジネス・地域ビジネスです。
〇情報収集はお客様データから
〇スタッフスキルも安定する
〇長く愛されるサービスへ
〇常連さんが喜んでくださる。
〇自店の『ウリ』として明確になる。
今、貴店にある顧客データは活かし方次第で『宝の山』となります。
客単価アップのヒントになるデータ分析、ぜひ参考にしてみてください。