美容サロンの売上確保の手段として、店販商品の販売に尽力しているサロン様も多いのではないでしょうか。
ディーラーから仕入れたサロン専売品やプロ仕様の美容機器(ドライヤー、アイロンなど)だけでなく、オリジナルシャンプー等を開発して販売するサロンもあるかと思います。
実は昨今、美容サロンにおける「店販」の売上が上昇傾向にある事をご存じでしょうか。
今回はその理由と、美容室の店販の売上を伸ばすコツについて徹底解説いたします。
冒頭で申し上げたように、昨今美容サロンの店販商品の売上は上昇傾向にあります。
それはなぜなのか?という話から始めて参ります。
近年美容サロンにおける店販商品の売上が伸びている理由として「取扱商品の多様化」が挙げられます。
これまでサロンで販売するものと言えば、シャンプーやトリートメント、ヘアワックスといったヘアケア用品が中心でした。
昨今の性別を問わない美容意識への高まりにより、ドライヤーや美顔器、サプリメントなど、美容室で取り扱う商品の種類は増え、需要も多様化しています。
2015年から2023年における理美容代、ヘアケア製品の年間支出をみていくと、徐々に増加傾向にあります。
また、家電大型専門店における生活家電の販売額では、
ドライヤーやヘアアイロン、散髪器具などを含む理美容家電の販売額は増加していることが分かります。
近年の高価格帯ドライヤーなどの高性能理美容家電の流行により、家庭でのケアを充実させることで美を保つことも可能となってきているようです。
去るコロナウイルスの流行による外出自粛の影響もあり、ヘアケア製品や理美容家電を用いた家庭におけるケアを習慣とし、その後も継続しているケースもあると考えられます。
(参照:経済産業省「理容業・美容業の今」家庭でのヘアケアが充実)
なぜ多くの美容サロンが店販商品を取り扱っているのでしょうか。
そのメリットについて簡単に説明します。
お客様に店販商品を購入いただければ、施術だけでなく+αの売上を得る事が出来ます。
例えばカットの場合、施術中の約60分の間一人のスタイリストの人件費、水道光熱費等が発生しますが、それと並行して施術中の5~10分の会話で店販商品を販売する事も可能です。
特に一人で施術・運営をしているサロンでは、一日に施術に掛けられる時間は限られる為、売り上げの補填として店販を取り入れる事のメリットは大きいと言えるでしょう。
お客様に自宅でもケアしていただく事で施術効果を持続でき、サロンケアの心地よさを自宅でも味わえる事で、顧客満足度アップに繋がります。
また、お客様の美意識も高まる事で来店促進も期待出来ます。
「そろそろシャンプーも無くなりそうだし予約をしよう」
「紹介された美容器具、SNSでも話題だしやっぱり買ってみようかな!」
といったようにお店に足を運んでいただくきっかけになり、お客様との繋がりを保つ事ができます。
サロンの売上アップや顧客満足度アップが狙える店販商品ですが、同時に注意すべきデメリットも存在します。
その解消方法と一緒にご紹介しますので念頭に置いておきましょう。
施術により美意識が高まっているお客様にとって、ご注文をいただいてから発注する「受発注」という方法ですと、購入したい!という気持ちが冷めてしまう可能性もあります。
顧客満足の為にもある程度の在庫は確保しておきたい所ですが、そうなると在庫管理やスペースの確保が必要となり、サロンワークを圧迫する場合もあります。
【解消方法】
過剰在庫を持ち続ける事はお店の負債にもなりますので、商品の動向を見込んでの発注は重要となります。
初めての取り扱いの際は、信頼できるディーラーや先輩サロンオーナーに相談をしてみるのも良いでしょう。
元々美容サロンでのおしゃべりが苦手な方や、リラクゼーションを求めて来店される方にとって、露骨な売り込みはサロンへの不満に繋がってしまいます。
また、スタッフ側も「売らなくていけない…」というプレッシャーでお客様との会話がぎこちなくなってしまうかもしれません。
【解消方法】
この解消法については、以降の章で詳しく解説していきます。
美容室での店販商品の販売手段は
大きく分けてこの2つとなります。
ネット販売では、
といった方法があります。
ネット販売は「来店時に限らずお客様のタイミングで購入できる」というメリットがありますが、
・管理業務が必須であり、サロンワークをひっ迫させる可能性
・ECサイトだけでは商品の魅力を伝える事が難しい
・ネット販売禁止のサロン専売品がある
といった注意すべき点も念頭に置いておきましょう。
美容サロンは一般的な商店のように自由にお客様が商品を手に取って吟味するスタイルではない為、サロン側から商品を紹介する必要があります。
主な方法をご紹介いたします。
施術中にお客様の悩みに合わせて商品をご紹介するというのが王道のパターンと言えるでしょう。
その際に、あくまでカウンセリング、話題の一部である事を意識し、「売る事が目的の会話」とならないよう注意しましょう。
お客様が興味を示していないと分かった際に、そこで会話が終了してしまうとお客様も居心地が悪くなってしまいます。すぐに話題を変えるなど、お客様の不満の種にならない工夫が必要です。
上記のような施術中のセールストークを嫌がるお客様にもオススメなのが、
自店のホームページのブログ記事、SNS、YouTubeなどで商品を紹介する方法です。
といったようにメリットも多いと言えるでしょう。
※店頭にQRコードつきのPOPを設置するなど、サイトやアカウントの宣伝も忘れずに!
先程「陳列スペースの問題」の面でも触れたように、ただ“在庫を置いている”ではなく、インテリアとしておしゃれに陳列する事で、潜在的に訴えかける方法があります。
ディーラー提供のPOPや手作りのPOPを待合スペースなど目に入る場所に設置する事で、施術中の口頭でのご紹介もより伝わりやすくなるでしょう。
商品の存在を知り、すぐに購入を決めてくださるお客様もいますが、多くの場合は購入に進んでいただく為の後押しが必要です。
施術に実際使用するものではシャンプーやトリートメント、スタイリング剤が多いかと思います。
香りや泡立ちなどの使用感が伝わりやすく、使用しながらの自然な流れでご紹介が可能です。
ドライヤーやヘアアイロンなどの美容機器も、最後の仕上げでセットのコツを説明しながら使用する事で
「これなら自分でも簡単に取り扱えそう」
と興味を持っていただく事もできます。
大手サロンなどでは、まだ指名を持たないアシスタントが売上目標として店販商品を売る、というスタイルが多く見られます。
シャンプーをアシスタントが行う事も多く、その際に店販のシャンプーをオススメするという流れもありますが、
担当のスタイリストに比べまだ信頼関係を築いていない相手からのオススメでは、お客様もなかなか購入する意欲は沸きにくいかもしれません。
「このスタイリストさんのオススメなら買ってみようか」
という気持ちをお客様に持っていただく為にも、施術を行った担当スタイリストからの提案は大切にしていきたいところです。
「商品に興味はあるけれど、あと一歩購入に踏み出せない…」
というお客様には、キャンペーン特価や期間を限定するといった手法でのアプローチが有効です。
といったように「買うなら今!」と思っていただける特別感を打ち出してみましょう。
更に宣伝効果を上げる為には、不特定多数でなくターゲットを絞ったアプローチが有効です。
弊社の提供するサロンアンサーは美容業界歴25年、シリーズ累計導入件数8,000件のノウハウを元に、美容サロンの欲しい機能が詰まったPOSシステムです。
カウンセリングの資料となるカルテ機能はもちろんの事、サロンアンサーの得意とする顧客分析機能を活用する事で、
といった美容専用POSならではの効果的なアプローチが可能です。
また、顧客分析機能では施術メニューだけでなく、購入された店販商品や再購入率の分析も可能なので、
「この商品を買って下さった方なら、この新商品も興味を持ってくれそう!」
「続けて購入いただいているお客様に優先的に限定商品をご案内しよう!」
といったように、店販商品に特化したターゲッティングで高い宣伝効果を期待できます。
更に、LINE公式アカウントと連携するLINEミニアプリオプションを追加すれば、お客様が普段利用するLINEにメッセージが届くので、
など、サロンにもお客様にも便利にご利用いただけます。
美容意識への高まりによる取り扱い商品の多様化や、ホームケアの増加により売上の伸びている美容サロンの店販商品。
今回紹介したこれらのポイントを参考にしていただき、売上・客単価アップを目指しましょう。