美容室の『集客』とは?
『新規集客』だけでしょうか?
美容室の『売上アップ』には?
『新規客数アップ』だけでしょうか?
いえ!まだできることがあります!
既存客の『来店最適化』により、客数アップ・売上アップできるサロンは、今の美容業界に多いはずです!
長年サロンのデータを見てきて、今だからこそ改めてお伝えしたい!そんな『来店サイクル・客単価』の最適化について、データ屋の視点で書きました。
単純に考えると、サロンの月間売上は以下の公式となります。
売上=客数×客単価
単月では、1ヶ月にご来店された人数とその月の客単価で、月間売上が成り立っているということです。
これを年間売上で考えた場合は?
売上=客数×客単価×来店回数
こうなります。年間では、1年間の間でご来店された『カルテ数』と年間での客単価と、そのカルテ数分のお客様が何回ご来店されたのか?ということになります。
単月で見ると、確かに新規集客は非常に有効に見えますね。客数という分母が増えるわけですから。しかし、客数が多いほど、どうしても客単価は下がりやすくなります。
年間売上で見てみると、また視点は変わりますね。カルテ数はそのままでも、それぞれの来店回数を増やすことでも、客数アップすることができます。そして、何度も来てくださることで信頼が高まり、既存客なので早くから予約するので、提案もしやすく客単価も高まる傾向になります。
サロンの売上を年間売上で考える。実は非常に大事なことです。
年間で考えた場合、常連さんになると毎月ご来店される方もいますよね?自分が快適でいられる来店サイクルがあって、それが美容師さんの提案とも一致していれば、毎月安定した単価でご来店することになります。
しかし新規客が多すぎると、実はこの『常連さんが快適でいられる来店サイクル』よりも、新規客の予約が優先されてしまうことが多くなります。今の美容業界では、実はこの現象は非常に多く発生しています。
集客サイトのネット予約では、今は「色々なサロンを、いつでも、どこでも、すぐに、空いていれば、予約できます!」という環境が作られています。中には、3ヶ月先までネット予約OK!というケースもあります。そうすると、1回きりでクーポン狙いかもしれない新規客が、今日から2ヶ月後の日曜日の朝とかを予約できます。
逆に、本当はいつも日曜日の午前中に予約したい常連さんが、今日の施術が終わって予約しようとしても、希望の時間=自分の最適なタイミングで予約できない。結果として、来店サイクルが長くなります。
「まあ、忙しいサロンだからしょうがないわよね。」
と、実は不満かもしれないのに、特にそれを声に出して言う訳でもなく、少し長めの来店サイクルになっていく。
そして、最悪の場合…
「いつも通っていたサロン、忙しくてあまり予約取れないから…」
と、大事なお客様の失客につながる可能性さえも出てきます。
でも、新規客を多く集客できていると、それに気づかないままで『新規にたくさん入客して、自分は成長できているぞ!』と思ってしまう美容師さんもいるでしょう。
私は、美容師さんの成長には『来店サイクルの最適化』を含む、常連さんで先に予約がいっぱいになる!という未来のイメージが大事だと考えています。それは、データを見れば明らかです。早く成長する美容師さんほど、そういう『常連さんの最適な来店サイクル』が安定しており、客単価も信頼と共に上がっていく。結果として多くの新規に入れなくなり、常連さんを大切にすることが数字にも表れてくる。
新規客数アップだけではない、既存客の『来店サイクルの最適化』による売上アップ、何となく感じていただけたでしょうか?
ここで、新規客数を増やすことなく、今いるお客様だけで売上アップするには?そんなシミュレーションをしてみます。少々ややこしい『デシル分析』という資料を用いて説明しますが、ポイントだけカンタンにご案内します。
それぞれの説明は上記の図を詳しく見ていただくとして、要はこのスタイリストAさんは、どんなお客様によって年間売上が作られているのか?それをデータにしたものです。
1年間で、292人のお客様が来てくださり、その中には年に1回きりの人もいれば、10回の人も5回の人もいる。月間平均では93万3,212円の売上。年間では1119万8,551の売上。その年間売上の90%は上顧客174人で作られている。そして、当然年間お支払い額の多い上顧客は、客単価も来店サイクルも高い!
では、そんな上顧客がもっともっと上顧客になったとしたら?
年間お支払い上位5割の145人の上顧客を、客単価500円・来店サイクル5日短くしてみたら…
月間売上は15万円UPに!
机上の理論かもしれませんが、実際にこのサロンには、上記の数字とほぼ同じ分析結果になっているスタイリストもいます。同じ環境・同じサービス・同じコンセプトのサロンですから、同じように顧客を育てることも可能なはずです。一緒に働く人が『来店サイクル最適化』ができていて、それにより関係性が高まり客単価も上がる。
『来店サイクル最適化』には、新規10人分以上の売上アップができる可能性が、データによって証明されているということです。このデシル分析については、弊社製品はもちろん、様々なサロンのPOSシステムにある機能です。気になる方はお問い合わせいただければ、カンタンに分析&アドバイスできるかもしれませんので、お気軽にご相談ください。
以下、大まかにですが、ざっとこの『来店最適化』について、5つのポイントを書いておきます。
常連のお客様への『来店サイクル・客単価の最適化』への最大限の努力、きっと、もっと成長につながります。
個人ブログでも、同様のテーマを『既存客集客』として書いています。
⇨そもそも集客って『新規』だけ?すぐできる『既存集客』とは?
ちょっと違う視点のお話も書いています。重複する部分もありますが、是非読んでみてください。